2024年の介護報酬では、全介護サービス事業所に対して重要事項等の書面掲示規制が行われました。これまでとは違い、インターネット上での書面掲示が必要となり、「どうすれば良いの?」「インターネットに詳しくないから不安だ」と未だ手をつけられていない事業所もあるでしょう。
特に、小規模の事業所でホームページを作成していない事業所などは、その対応に困っているかもしれません。しかし、義務化されるまでの猶予期間は迫ってきています。
そこで今回は、書面掲示規制の見直しへの対応策と、インターネットに詳しくないスタッフばかりの事業所が今後どう対策していけば良いのか、ご紹介します。
1.【簡単に】2024年介護報酬改定における書面掲示規制見直しの概要
まずは、2024年の介護報酬改定における書面掲示規制の見直しについて、簡単にそのポイントをおさらいしておきましょう。
①重要事項等をウェブサイト上にも公表する義務が追加
介護サービス事業所の運営規定の概要などを記した重要事項等は、書面での掲示に加えて、インターネット上でも閲覧できるよう掲載することが義務化されました。
これまでは、こうした書類は額縁に入れて事務所にかけておく、または紙ファイル等に入れて誰もが手に取れる場所に置いておくなどの対応で問題ありませんでした。しかしこれからは、従来の対応に加えてインターネット上での掲載・公表が必要となります。
②全介護サービス事業所が対象
この書面掲示規制の見直しは、すべての介護サービス事業所が対象です。介護サービスの種類や規模は関係ありません。したがって、介護保険事業を行う事業所の管理者やホームページを担当する職員は、特に注意して対応していく必要があります。
既に、介護保険事業を行う事業所は、利用者との契約を行うにあたり、重要事項説明書を提示・説明し、同意を得ているはずです。そのため、新たに重要事項説明書を設ける必要はありません。こうした書類を、誰もがインターネットを通じて見えるようにしておくことが、今回の改定のポイントとなります。
③令和7年度から義務付けとなる
書面掲示規制への対応は、令和7年度(2025年4月)から義務化されます。2024年の法改定から1年間の猶予期間が設けられていましたが、まだ対応できていない事業所は早急に進めなければなりません。
2.書面掲示規制に関する改定の内容と背景
「なぜ、こうした面倒な作業をしなければならないのか」と思うかもしれません。しかし最近は、介護業界においてもデジタル化が進んでおり、他人事ではなくなってきたのも事実です。今回の介護サービス事業所対象の書面掲示規制の見直しについて、詳しい内容と背景について押さえておきましょう。
①書面掲示規制の見直しに関する改定項目
厚生労働省による、今回の書面掲示規制の見直しに関する記述は以下のとおりです。
(※令和7年度から義務付け)”
引用:厚生労働省 令和6年度介護報酬改定について「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
②書面掲示規制の見直しは介護業界だけではない
書面掲示規制の見直しに関しては、介護業界に限った話ではありません。さまざまな業種で、アナログからデジタルへの移行は進んでいます。
書面掲示規制の見直しは、デジタル庁を中心とする「構造改革のためのデジタル原則」が関係しているとも考えられます。印鑑の廃止やペーパーレスの推進など、既に実感している点もあるでしょう。デジタル化への移行は、あらゆる業種の人手不足といった社会問題への解決策でもあり、介護業界以外でも徐々に進められている取り組みです。
③今後ますますデジタル化は進んでいく
介護業界では、スマートフォンやタブレットを活用した業務や、AI搭載のロボットの活用など、すでにデジタル技術を活用した働き方改革が進んでいます。今回の書面掲示規制だけでなく、その流れは今後も続いていくと予想でき、新しい取り組みに都度対応しなければなりません。
また、利用者やその家族も、インターネットを活用した情報収集が一般化し、介護サービス事業所もニーズに応える必要が出てくるでしょう。
3.介護サービス事業所が書面掲示規制の基準を満たすには
それでは、介護サービス事業所が書面掲示規制の基準を満たすための具体的な方法について見ていきましょう。
①サービス情報公表システムに掲載する
サービス情報公表システムは、介護サービス事業所の詳細な情報をインターネットで検索・閲覧できるシステムのことを指します。サービスの内容や事業所の運営情報、法人情報などが掲載されており、厚生労働省が設置しているものです。
書面掲示規制の基準を満たすために、重要事項等の書面はこのサービス情報公表システムに掲載することもできます。ログインにはIDやパスワードが必要で、PCの使い方に慣れていない方にとっては分かりにくい部分もあるかもしれませんが、ホームページを持っていない事業所にとっては便利な方法と言えます。
②ホームページ上に掲載する
事業所のホームページがある場合は、ホームページ上に書面掲示を行う方法も選択できます。ホームページに新たにカテゴリを追加するなどして、掲載したい書面のデータを貼り付けるだけで完了します。
ホームページであれば、事業所の魅力や特徴を十分にアピールしつつ、今回の書面掲示規制への対策もできて一石二鳥と言えるでしょう。
③事業所内での対応が難しい場合
PCに慣れているスタッフがいない、インターネットに詳しくないなどの理由で、以上にご紹介したような対応が難しい場合は、プロに任せるという方法もあります。ホームページ制作に携わる会社に依頼をすると、不安なく物事を進めやすくなるでしょう。
特に、まだホームページを持っていない事業所は、これを機にホームページ作成も視野に入れて検討するチャンスです。
4.介護サービス事業所がホームページを作るメリット
介護サービス事業所がホームページを作るメリットはたくさんあります。特に、以下のようなメリットは、事業所側として必要性を感じやすいポイントではないでしょうか。
①今後の介護報酬改定に対応しやすくなる
今回の介護報酬改定のように、インターネット上で何らかの情報を掲載することが義務化されることは、今後も起こり得ると考えられます。ホームページがあると、少しの追加で要件が満たせるかもしれません。デジタル化が進む昨今の流れを考えると、今の段階で取り組んでおいた方が良いと感じる方も多いのではないでしょうか。
②ホームページから事業所の発信ができる
ホームページがあると、自由に自分達の思うように事業所の特徴や魅力、強みなどを発信することができます。パンフレットを印刷するコストがかからず、変更点が生じた際の修正も簡単です。たくさん利用者の方々に発信したい情報がある時、印刷物にするとどうしても掲載できる情報が限られてしまいます。しかし、ホームページの場合は、そんなデメリットを感じることもありません。
③より多くの人の目に触れ利用者の増加が期待できる
今や情報収集の主な手段はインターネットと言っても過言ではありません。介護サービス事業所においても、従来のパンフレットや口コミなどに頼り続ければ、他の事業所との競争に不利にはたらく可能性があります。
地域に同業者が複数いる場合、利用者はどの事業所が自分にマッチしそうか、インターネット上の情報を見て比較検討することも十分に考えられるでしょう。ホームページを作っておくと、よりたくさんの人の目に止まり、親近感を感じてもらいやすくなり、選択肢の1つとして検討されやすくなります。
5.千葉県の介護サービス事業者のWeb制作はお任せください
デジタル原則の流れは今後ますます増えていくと予測されます。今回は何とか乗り切れたとしても、今後は自信がないという事業所も多いのではないでしょうか。ご承知のとおり、介護報酬改定は定期的に行われ、その都度対応していく必要があります。もし、これからホームページを作成したいと考える場合や、今回の書面掲示規制への対応に困った場合は、千葉県でのWeb制作を行っている当社にお任せください。